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マイナス査定あれこれ 給料を減らすのはあり?なし?

社員のやる気を引き出すには、頑張った成果を給与に反映させることが何よりも大切です。
ただ、これまではハイパフォーマーに高い給与で還元する仕組みはあっても、成果を出せない人の給与を減らす「マイナス査定」には二の足を踏む企業が多かったように思われます。

今後、会社の業績を向上させるためには、人事評価制度にマイナス査定を取り入れることも必要になってきます。
導入と運用に当たって、注意すべきことなどを考えてみましょう。

マイナス査定導入が必要な理由

ある一般的な大手企業の事例をみると、人事評価制度における評価点をS、A、B、C、Dの5ランクに分けていました。Sランクを最高に、給与の増額に序列がつけられていましたが、最低のDランク評価でも給与の増加はゼロとしているだけで、マイナスになることはありませんでした。

これは、まったく頑張らなくても、これまでもらってきた給与が減らされることがないということです。これでは、モチベーションの低い社員は現状維持以上の努力をすることはありません。一方、ハイパフォーマーの社員にとっては、いくら成果を出し続けても頑張らない社員と待遇面でさほど差が出ないため、それ以上の頑張りにつながらないことにもなりがちでした。

これは、まったく頑張らなくても、これまでもらってきた給与が減らされることがないということです。これでは、モチベーションの低い社員は現状維持以上の努力をすることはありません。一方、ハイパフォーマーの社員にとっては、いくら成果を出し続けても頑張らない社員と待遇面でさほど差が出ないため、それ以上の頑張りにつながらないことにもなりがちでした。

社員の仕事ぶりを、よりフェアに評価していることを示すためには、やはり給与に格差をつけることが必要なのではないでしょうか。マイナス査定で浮いた給与原資をハイパフォーマーに回せば、成果に対する給与増減の不公平感は緩和されるからです。

これまでありがちだった、前述のような評価方式よりも推奨されるのは、さらに評価を細分化し、S+、S、A+、A、B+、B、C、C-、D、D-の10ランクに分けることです。Cランクを給与プラスマイナスゼロとし、S+からプラスの序列をつけ、C-から順にマイナスの幅を大きくします。

マイナス査定導入にあたって押さえるポイント

ここで、押させておくべきポイントは次の3点です。

1.評価制度に基づく給与調整(減給を含む)は、最低賃金を下回らなければ不可ではないこと。
2.評価結果は保存しておくこと。
(評価結果による減給や等級の調整、または等級調整に伴う減給が発生した場合は、双方署名済みの合意書を残すとより安全。)
3.明確且つ客観的な評価基準、項目、評点基準を社員に周知徹底し、事前の同意を得ること。

台湾労働基準法第21条第1項の規定により、「賃金は労使双方の合意により決定されるが、最低労働賃金を下回ってはならない」ということから、賃金は労働契約上の自由範囲となっています。 その為、「評価制度に基づく給与調整(昇給、減給を含む)」を労働契約に盛り込み、且つ、調整された賃金額が最低労働賃金を下回らなければ、労働基準法の違反となりません。

但し、減給調整の場合は労使間で紛争が起きやすく、法的合理性の判断のためにも、その評価制度の基準が明確かどうか、紛争対象の従業員の評価シートの提出を求められることがあります。
また、評価制度に基づく給与調整を行う場合、必ず事前に従業員の同意を得ることも必要になります。

実務見解を参考にすると、雇い主が制度に基づき評価を行い、そして評価結果に準じて個別の従業員の職等級を下げ、職等級の調整に伴った実質賃下げを行うことも不可ではありません。(例:管理職社員が一般社員へ等級が下げられ、管理職手当が取消された場合など)。
ただし、このような場合でも、前記通り評価基準が明確であるかどうか、対象となった社員の評価シートがチェックされていて、かつ賃下げ実施前に当該社員の同意を得ていたかどうかが、合理性を判断する上で重要なポイントとなってきます。

適切な導入・運用はメリットになる

特に社員に覚えておいてもらうことは、相対評価だと一定数がマイナス査定となるのですが、あくまでも絶対評価による査定なので、高得点を取りさえすれば全員がプラス査定になるということでしょう。これは社員に希望を与えることになります。

マイナス査定ばかりを受けると、不満を感じて退職してしまう恐れを持つかも知れません。しかし、例えば評価2回の平均点で査定すれば、たった一度の評価でマイナスになることはなく、たとえ一度マイナスの評価となっても挽回のために一定の期間が担保されていますので、公平性をより高めることができます。

マイナス査定の目的はコスト削減ではありません。頑張っている人もそうでない人も一律に給料を上げる「平等という名の不平等」をやめ、「フェアに差をつける」ことで成果を出している社員に報いることこそ、真の目的です。

社員のやる気が醸成されると、結果として生産性の向上につながります。それによって会社の業績が向上し、評価結果と整合性のある賃上げで社員に還元するという好循環が生まれるといえます。

ただ、こうしたメリットを生むには、評価する立場の人にフェアであることを徹底させ、適切に運用していくことが条件になります。社員から反感を買わずにマイナス査定を推進していくためにも、このポイントだけは外してはならないでしょう。

※本記事は、一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。情報に関する意思決定は、必ず利用者ご自身の判断でなさるようお願い致します。