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日本の大企業に広がる「働き方改革」特集(後編)

これまで2回に分けて日本の働き方改革における、企業の具体的な施策をご紹介させて頂きました。
本日はいよいよ最後の回となります。各企業の施策を通して見えてくる、今の時代に求められる組織作りとはどのようなものなのかを、
ご紹介させて頂きます。

経営にプラスとなる改革の特徴

長時間労働の解消や非正規労働者の待遇改善を始めとする働き方改革に、すでに積極的に取り組み、しかもそれが業績向上につながっている企業の施策には、いくつかの共通点が見えてきます。

企業目標と個人目標のリンク
個人やグループ単位で目標を設定し、その達成度で評価を決める目標管理制度は、バリエーションこそあれ、多くの企業が利用しています。好事例の企業のほとんどは、この制度を有効に活用しているようです。いずれも、企業・組織の目標をしっかり社員に示し、企業目標との関わりで果たすべき役割を社員自身に自主的に見い出させています。自己の目標を上司と話し合い、企業目標にきちんとリンクさせ、達成度の評価が能力開発に結びついています。

求めるスキルの明示と対応する行動の明確化
好事例の企業のいくつかは、特にパートタイマーに対して、レベルごとの社員に求めるスキルを具体的かつシンプルに示しています。社員は、スキルを身につけレベルを上げるためには、日々どう行動したらよいかが分かります。行動改善を促すツールとしてチェックシートがよく活用されています。

PDCA サイクルの短周期での回転
比較的に短周期で、上司との面談(コミュニケーション)の機会を設けている点も特徴です。それは、目標設定・行動計画、実行、評価、改善のPDCA サイクルを早く回せば、早い段階で軌道修正ができて、それだけ効率的に目標にたどりつけるからです。さらに、頻繁なコミュニケーションは、社員が成長のモチdベーションを保ち、行動計画を自己管理する上でも有効です。

職務・責任に基づく評価と賃金の結びつきが明確
好事例の企業では、パートタイマーのみならず、正社員の給与でも職務と賃金を結びつけた職務給寄りの傾向が見られます。長時間労働の是正と生産性向上の両立は、時間ではなく成果に着目して評価する制度が有効であるとの認識が広まっています。職務の難度や責任の重さを測定してランク付けし、求められる責務をどれほど果たせたかで評価して処遇を決める方法が、働き方改革と親和性が高いようです。

一方で、成果や達成度を測る評価項目や基準をどう設定するかは、企業の理念や方向性によって、さまざまのようです。

評価による処遇の差を社員の成長に転じる
上述のような達成度評価に基づく給与査定では、評価によって当然、給与に差が出ます。それが社員の納得感につながると前向きにとらえる企業は少なくありません。その前提には、制度自体が透明で、評価の基準や過程も包み隠さず、社員自身が足りないスキルを自覚できるような制度運用であることが必要です。

低い評価だった社員でも挽回の機会が早く与えられるよう、ここでも上述したPDCA サイクルを早く回すことが大切です。

現場だけではなく業務プロセスの高所からの見直し
労働時間短縮と生産性向上の両立は、現場の工夫のみでは乗り越えられない大きな課題です。いずれの事例でも、経営全体の視点から、業務プロセスを見直し、業務の重複や無駄をなくし、効率の改善に取り組んでいます。業務プロセスの見直し等を現場の働き方にきちんと浸透させることが不可欠と思われます。

以上のように、好事例企業の特徴を並べてみると、いずれの企業も職業能力開発に結びつく人事評価制度をもち、納得性・公平性・透明性の高い評価制度の設計と運用が行われていることがわかります。

最後に

いま、社員と企業双方に、給与に対する意識改革が求められているのではないでしょうか。 社員は給与が自らの成長とそれによる業績貢献に対して支払われるものと意識して働き、企業は賃上げが生産性向上の証拠であると前向きに捉えて実行する。それが、働き方改革の成否を分けるカギかもしれません。

この先の日本の経済成長は、「労働参加者の数」と「個々の労働者の生み出す付加価値」の「掛け算」の答えをいかに大きくするかにかかっています。個々の企業レベルの観点からは、多様な働き方を受け入れる環境を作り、一人ひとりの労働力が顧客にもたらす価値を増大させる取組みこそが、企業の成長をもたらすということです。

社員の潜在能力を引き出す人事管理制度に舵を切ること、効率化のインフラとなる業務プロセス改善や人材育成への投資に踏み出すこと、社員の仕事が顧客にもたらした価値に正当な対価を受け取れるビジネスモデルを構築すること、これらに企業は真摯に取り組まなければなりません。

そして、どんなに良い制度を整えたとしても、それを運用していくのは「人」です。 当社あしたのチームでは、日本における中小ベンチャー企業、そして台湾においては管理部が不在の日系企業に対して、制度構築から導入と運用のサポートを一気通貫でご提供している会社です。

会社を変えたい、時代に流されない強い組織作りをしていきたいが、そこまで手が回らないという代表の方々、是非当社までそのお悩みをお聞かせ下さい。 昨今の台湾における労働環境の変化を乗り越える御手伝いをさせて頂きます。

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